商標登録出願について

企業・個人は、商標権を取得しなくてもビジネスを行うことはできますが、一般に、ビジネス上自社名を商標として使用したり、新たな商標をブランド展開のために使用したりする前に、商標登録出願を行います。

商標権を取得することで、他の商標権者に阻害されずに商標権者自身が登録商標を使用できるだけでなく、同一・類似の範囲での他人の登録商標の使用と、他人の登録をも排除することができます。

よって、他者から干渉されずに自社ビジネスを継続することができます。仮に、商標権を取得していなかった場合に、他の商標権者の権利を侵害した場合には、ライセンス契約を強いられたり、差止請求や損害賠償請求を受けたりします。

ライセンス契約の結果ビジネスが継続できたとしても、ライセンス料金を特許権者に支払う必要があり、そもそもこのような事態は商標登録出願によって防げたものです。

登録商標は使用しなければ意味が有りません。逆に使用すればするほど、商標に商標権者の信用力・ブランド力が蓄積し、顧客がその商標を見たときに、それが他の誰でもなく商標権者のものであることを認識できます。さらに、商標には出所表示機能、品質保証機能、宣伝広告機能が発生します。

よって、商標は、自社商品・サービスの他社との差別化によるブランド展開のために重要な働きをします。

商標権は財産権であり、金銭的価値を有します。

よって、一度は取得した商標権であっても自分が所有する必要が無くなれば他者に譲渡したり、ライセンス契約の締結により他者に使用させたりできます。

商標権者は、ライセンス契約に際してライセンス料金を他者から得ることができます。ライセンス料金は、例えば他者の年間売り上げの３～５％です。

ライセンス契約の場合、他者が登録商標を使用することで、第三者からの不使用取消審判によって登録を取り消されることも無く財産権は維持され、また長年にわたる継続使用により信用力・ブランド力が登録商標に蓄積されていくため金銭的価値の増加が期待できます。